棒人形の特徴
棒人形は、「もっとも基本的な人形」と言われています。大人にとっては簡単な手の動きも子供にとっては難しいものです。「にぎる」という手の動きは子供が一番最初に覚える手の動きで、小さな子供とも一緒に楽しく人形劇をする事ができます。これが、基本的な人形と言われる理由です。ここでは「棒人形」と表記していますが「棒遣い(使い)人形」、「片手遣い人形」、「胴串人形」等、様々な呼び方があると思います。
棒人形の動作
棒人形の操作は、棒の部分(胴串)を持って行います。胴串には胴体の下部から棒が刺さっているタイプ。また、頭に棒が付いているタイプも考えられると思います。頭や手、足が別々に動く人形もありますが、ここでの棒人形は胴串と一緒に人形全体
が動く為、色々な動作をさせる為には簡単な練習も必要です。
立つ=人形をふらふらさせないように気を付け、前屈みになったり、後ろに反り返ったりしないように気を付けます。
歩く=スーと人形を横に移動させるのではなく、山なりにひょこひょこ動かせ
る。
走る=歩く動作を少しすばやく、こきざみにする。
座る=いきなり人形を降ろすのではなく、一度前に傾けて、少し後ろに人形をひき、前に出しながら、腰くらいまで舞台の縁に降ろす。
笑う=人形を後ろに傾けて揺らす。
泣く=相手に背中を向け、人形を前に傾け
てこきざみに揺らす。
動作は色々考える事ができ、それも楽しいものです。
脚本があるのであれば、登場人物の年齢、性別、性格等をとらえ、動作にも反映させると良いと思います。子供ならキビキビとした動きにし、おじいさんならゆっくり動く等です。また、人形の「目線」にも気をつけましょう。人形を操作する人は人形と少し離れた所から見守る形になります。自分の人形の目線を忘れないようにし、話している人形を目線で追うようにしましょう。それぞれの登場人物が思い思いに動いていては、誰が話をしているのかわからなくなってしまいます。話をしている人形を目線で追い、うなずく等の周りの人の協力も必要です。
その他
棒人形は、イラストのような人形を作らなくても、ユーフォキャッチャーの人形や、 軍手などを利用すると簡単に作れます。その他に、ボール紙の片面づつに絵を描き、棒に貼付けた「ペープサート」も楽しいです。動作も棒人形と共通の部分も多いです。この「ペープサート」は最も手軽に作れる人形劇の一つです。人形は「うちわ」の裏表に人や動物の絵を描いた様なもので、「基本人形」と「活動人形」の二種類があります。「基本人形」は表に右向きの姿、裏には左向きの姿を描き、表裏を回転させる事により人形の向きを変えます。「活動人形」は裏表の動作が全然違う姿を描きます。例えば、表が笑っていて、裏が泣いている。表が歩いていて、裏が逆立ちをしている、等です。作り方としては、①紙に登場人物のデザインを描く。②カーボン紙をひいて、ボール紙に写す。③写したものにポスターカラー等で色づけする。④柄になる竹や木を用意し、ボンド等で固定する。(手にトゲが刺さらないように気を付けて下さい。)絵を描く場合、完全に横を向いた絵よりも、ななめ向き(七部向きともいいます)位が良いかもしれません。また、絵の縁を切り抜いてしまうより、少し余裕を持って周りを切るほうが見やすくなります。